大手ブランドを出し抜き口コミで広がる戦略〜ティーマルサンができるまで

ブランド立ち上げまでの裏話

工事中店先に出した小さなアルバイト募集告知でも、ロゴが掲げられれば応募は集まり、すぐ採用決定。開店告知は店先のビラ配りだけだけれども、初日は大行列を成し遂げた「ティーマルサン」。日本発の新しいタピオカミルクティーのブランドです。激戦区・吉祥寺の中では立地が良いとは少々言い難いのですが、デザインの力が発揮されたと言っても過言ではありません。SKGは、コンセプト立案からグラフィックデザイン、インテリアデザインの監修、SNSの運営を担っています。

[ ポイント ]

  • 事業と物件しか決まっていなく、不確定要素が多い状態でのご相談 → 一貫したデザインがしやすい
  • 短納期 → デザイナー主導で動きやすい

課題発見とその解決方法を探るーーブランディングデザインの流れ

◎リサーチーー体験から発見

タピオカミルクティーは若い女性を中心として大流行中。実は案件に携わるまでこのことすら実感がありませんでした。
まずは、同じ吉祥寺にある店舗や流行のど真ん中である原宿の各お店へ実際に行き、色々買ってみます。
味の他にもロゴデザインをはじめとし、店内イメージ、メニュー構成、オペレーションなど、体験してみると多くのことに気づきました。まず一番違和感を感じたのは、注文しづらいメニュー表です。
「タピオカミルクティー」と書かれたメニューをオーダーするも、店員さんに「一般的なタピオカミルクティーはこちらです」と、メニュー表の階層深い部分を案内される場面数回。そして、単に流行に乗じてお茶にタピオカを入れている店も多く、お茶にフォーカスするのか、タピオカにフォーカスするのか、各ブランド曖昧になっているようでした。
このような経験が反面教師になり、デザインへ活かされることになります。
また、各ブランドのコンセプトを読むと、多くのブランドが「ほっと一息」といったような安らぎにフォーカスしていることに気づきます。一方、流行に拍車をかけていると思われるSNSを見ると、どれも元気なものばかり。ここでも各ブランドとユーザーの思いに差を感じました。
他にもインターネットで調べたり若い知人から話を聞くと、どうやら珈琲ブーム以外の選択肢を望んでいる人たちがいることも知ります。

調査中。タピオカミルクティー屋を回ってSNS投稿することを「タピ活」と呼ばれるが、まさにそれを体験。

リサーチ結果
・若い女性の間でタピオカミルクティーは大流行中
・様々なショップの商品を飲み比べてインスタをはじめとするSNSに写真をアップすることも、楽しみ方の一つになっている
・お茶にフォーカスするのか、タピオカにフォーカスするのかは各ブランドで曖昧
・味自体に多少の差はあるものの、世界感として差異化できていない
・ブランドコンセプトとユーザーの思いに差がある
・ほぼすべて台湾や中国から進出してきた外資ブランド
・珈琲に飽きた人、珈琲が苦手な人を中心に広がっている流行ではないか

◎プラン→コンセプトーー“Taste, Enjoy, Arrange!”

リサーチを踏まえ、差異化のポイントとなる点を模索していきます。
ブランドとユーザーの思いを一致させるため、お茶を楽しむことについて深掘りしていきました。
コンセプトコピーとして作ったのが“Taste, Enjoy, Arrange!”。お茶をアレンジして楽しもう、という、“TEA(=お茶)”の頭文字から始まるコピーでした。
そして、差異化のポイントは、トッピングでお茶をカスタムして楽しめることにしました。
デフォルトとしてタピオカをトッピング。さらに、無料でもう1品トッピングを選べる仕組みに。
トッピングが2つあることで味の幅が広がり、さらにお茶が楽しくなるということをユーザーに向けて提案していきたいと考えます。また、無料ということ自体が気分を上げる要因にも。
さらに、コンセプトコピーを元に、ドメイン取得と商標登録が可能な名前を、弁理士を交えて数十種類ほど検討し、『Tea 03(ティーマルサン)』としました。
サンは、ベースのお茶が三種であること。お茶の本場台湾の言葉(中国語)で数字の3は日本語と同じ音で「サン」である面白さ。若き共同経営者が3人であること。また愛称として〇〇さんと読んでもらいたい思い等に由来します。

プランのコンセプトコピーをスタッフで共有する資料。既にロゴデザインのラフスケッチの原型も垣間見れる。

◎デザインーーお茶目なマルさん誕生!

検討中のロゴデザイン案

コンセプト、名前が決まったところで、デザイン開始です。
ロゴデザインはコンセプトを体現することを大前提に、時に前行程の「プラン」「コンセプト」へ戻りながら手を動かし、表現の違いで20案程度つくりました。
プランの時点では屋号のスペルを「Tea 03」と考えていましたが、手を動かしながら検討した中で「Tea MALSAN」とアップデートしています。なお、余談ですがここ滋賀のロゴデザインにおいても、欧文スペルをKOKOではなくCOCOとすることをご提案差し上げ、採用されました。

ロゴデザイン案の中で、コンセプトがより明確化され、アイテム展開時にロゴが楽しく発展する仕組みを備えさせたものを、その検討段階も含めて提案しました。その案がベストだと考えることを伝え、採用に。

そしてロゴデザインと共にデザインコンセプトとキャッチコピーが決まります。

デザインコンセプト お茶目なマルさん
キャッチコピー HAVE A NICE TEA!

シンボルマークの解説
左からプーアール茶タピオカミルクフォームにプリントッピング、セイロン紅茶タピオカミルクに仙草ゼリートッピング、ジャスミン茶の抹茶にダブルタピオカトッピング

ここまで決まればあとはお茶目さに拍車をかけ、マルさんをどんどんアイテム展開していきます。
当然必要となってくるメニューやショップカード。
また、リサーチの段階でSNSが重要になると考え、日々の運営も弊社で担うことにしました。
キャラクターも兼ね備えたロゴという特徴を活かし、
SNSの舞台で簡単なモーショングラフィックスまで展開しています。

Instagramに投稿したアニメーション

◎まとめ

ブランディングデザインのステップを一歩一歩踏み、伝わりやすいコンセプトとそれに基づいたロゴやグラフィックデザインの展開を一貫してできたことは、今後多店舗展開しブランドが成長する中でもしっかりした基礎になると考えます。
そして、少数精鋭で一貫して取り組んだことによって、クライアントのスピード感にも応えられたと考えています。

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